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2025.12.10

Webサイト運用とは?仕事内容から費用までプロが教える完全ガイド

Webサイトは作っただけでは成果に繋がりません。本記事では「Webサイト運用とは何か」という基本から、具体的な仕事内容、費用相場、成功のコツまでプロが徹底解説します。Webサイト運用で成果を出す鍵は、目的を明確にしPDCAを回し続けること。この記事を読めば、集客やブランディングを実現するためのサイト運用の全体像が分かり、自社サイトを価値ある資産へ育てる次の一歩が踏み出せます。

Webサイト運用とは 制作との違いと目的を解説

Webサイト運用とは、公開したWebサイトをビジネスの目的達成に向けて継続的に更新・改善していく活動全般を指します。多くの企業で「Webサイトは作って終わり」という誤解が見られますが、実際には公開後が本当のスタートです。Webサイトをただの「オンライン上のパンフレット」で終わらせるか、それとも「24時間365日働く優秀な営業担当」に育てるかは、この「運用」にかかっています。

この章では、まず混同されがちな「Webサイト制作」との違いを明確にし、なぜ現代のビジネスにおいてWebサイト運用が不可欠なのか、その重要な目的を解説します。

Webサイト制作と運用の決定的な違い

Webサイト制作と運用は、目的も期間も作業内容も全く異なります。例えるなら、家を設計して建てるのが「制作」、その家で快適に暮らし、より価値を高めていくのが「運用」です。両者の違いを理解することが、効果的なWebサイト活用の第一歩となります。以下の表でその違いを具体的に見ていきましょう。

項目Webサイト制作Webサイト運用
目的Webサイトという「器」を設計し、構築すること構築されたWebサイトを活用し、ビジネス成果を最大化すること
ゴールWebサイトの完成・公開(ローンチ)KGI・KPIの達成、事業目標への貢献
期間短期的(数ヶ月程度のプロジェクト)長期的(継続的な活動)
主な作業内容要件定義、戦略設計、デザイン、コーディング、CMS構築、コンテンツ投入コンテンツ更新、SEO対策、アクセス解析、UI/UX改善、セキュリティ保守
求められるスキルデザインスキル、プログラミングスキル、ディレクション能力マーケティング知識、分析力、企画力、コンテンツ制作スキル

このように、制作は「完成」という明確なゴールがありますが、運用には終わりがありません。市場やユーザーのニーズ、技術の変化に対応しながら、PDCAサイクルを回し続けることで、Webサイトの価値を継続的に高めていく活動なのです。

Webサイト運用が不可欠な3つの目的

なぜ、時間とコストをかけてまでWebサイトを運用する必要があるのでしょうか。それは、Webサイトが現代のビジネス活動において、単なる情報発信ツールではなく、事業成長の核となる重要な役割を担っているからです。ここでは、Webサイト運用が目指すべき代表的な3つの目的を解説します。

目的1 新規顧客の獲得と集客

Webサイト運用の最も重要な目的の一つが、新規顧客の獲得、つまり「集客」です。現代の顧客は、商品やサービスを検討する際に、まずGoogleやYahoo!といった検索エンジンで情報収集を行います。そのため、自社のWebサイトが検索結果の上位に表示され、潜在顧客に見つけてもらうことがビジネスチャンスに直結します

具体的には、SEO(検索エンジン最適化)対策を施した質の高いブログ記事やお役立ちコンテンツを定期的に発信することで、自社の専門性をアピールし、課題を抱えるユーザーを自然な形でサイトに呼び込みます。さらに、アクセス解析ツール(Googleアナリティクスなど)でユーザーの行動を分析し、問い合わせや資料請求といったコンバージョンに繋がりやすい導線を設計することで、Webサイトを強力な集客エンジンへと育てることができるのです。

目的2 企業やサービスのブランディング

Webサイトは、顧客がその企業やサービスに初めて触れる「顔」としての役割も担っています。サイトのデザイン、使われている言葉遣い、発信される情報の質など、すべてがブランドイメージを形成する要素となります。

一貫性のあるデザインとメッセージでブランドの世界観を伝え、専門性の高い情報発信を続けることで、顧客からの信頼と共感を獲得できます。例えば、企業のビジョンや開発秘話を伝えるストーリーコンテンツ、業界の最新動向を解説するコラムなどを通じて、「この分野ならこの会社」という第一想起を獲得することが可能です。質の高い運用を継続することは、広告だけでは築けない強固なブランド価値を構築することに繋がります。

目的3 採用活動や人材確保

企業の成長に不可欠な人材確保においても、Webサイト運用は極めて重要な役割を果たします。現代の求職者は、応募を検討する企業の公式サイトを必ずと言っていいほど訪れ、事業内容だけでなく、企業文化や働く環境、社員の雰囲気などを入念にチェックします。

採用サイトやコーポレートサイトで、社員インタビューや一日の仕事の流れ、社内イベントの様子といった「働く魅力」を伝えるコンテンツを充実させることで、求職者の入社意欲を高めることができます。また、経営者のメッセージや企業理念を丁寧に発信することで、自社の価値観に共感する優秀な人材を引き寄せ、入社後のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。採用活動を成功させるために、Webサイトを「未来の仲間へのメッセージを発信する場」として戦略的に運用することが求められます。

Webサイト運用の具体的な仕事内容

Webサイトの運用と聞くと、単に情報を更新する作業をイメージするかもしれませんが、その実態は多岐にわたります。Webサイトをビジネスの成果につなげるためには、サイトを安定して動かし続ける「守りの運用」と、サイトの価値を高めていく「攻めの運用」の両方が不可欠です。ここでは、具体的な仕事内容を6つのカテゴリーに分けて詳しく解説します。これらは相互に関連し合っており、総合的に取り組むことで初めて大きな成果が生まれます。

サイトの維持管理と保守業務

Webサイトを24時間365日、安全かつ安定して稼働させるための土台となる業務です。家で言えば、電気や水道などのインフラを整備し、建物のメンテナンスを行うことに相当します。ユーザーがいつでも快適にアクセスできる状態を維持することが目的です。

サーバーとドメインの管理

Webサイトは、データを保管する「サーバー(土地)」と、その場所を示す「ドメイン(住所)」があって初めてインターネット上で公開できます。これらの契約を管理し、正常に機能させ続けることは、運用の基本中の基本です。

  • サーバーの管理:契約の更新手続き、アクセス集中時の負荷状況の監視、必要に応じたプランのアップグレード検討などを行います。サーバーがダウンするとサイトが表示されなくなるため、安定性の高いサーバーを選ぶことも重要です。
  • ドメインの管理:ドメインには有効期限があり、更新を忘れるとサイトが表示されなくなるだけでなく、第三者に取得されてしまうリスクもあります。ドメインの契約更新は絶対に忘れてはならない最重要タスクの一つです。

CMSとプラグインのアップデート

WordPressに代表されるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)や、機能を追加するプラグインは、セキュリティの脆弱性修正や機能改善のために、定期的に新しいバージョンがリリースされます。これらのアップデートを怠ることは非常に危険です。

古いバージョンのCMSやプラグインを放置すると、セキュリティホールを悪用され、サイトの改ざんや情報漏洩といった深刻な被害につながる可能性があります。アップデートの際は、事前にバックアップを取得し、表示崩れや不具合が起きないかテスト環境で確認してから本番環境に適用するのが安全な手順です。

SSL証明書の更新と常時SSL化

SSL(Secure Sockets Layer)は、ブラウザとサーバー間の通信を暗号化し、第三者によるデータの盗聴や改ざんを防ぐ仕組みです。サイトのURLが「http://」ではなく「https://」で始まる「常時SSL化」は、現在のWebサイトでは必須の対応となっています。

SSL化は、ユーザーが安心して問い合わせフォームなどを利用できるだけでなく、Googleの検索順位評価においてもプラスの影響を与えます。SSL証明書には有効期限があるため、期限切れになる前に更新作業を行わないと、ブラウザに警告が表示され、ユーザーの信頼を大きく損なうことになります。

コンテンツの企画制作と更新

Webサイトの価値そのものを創造し、高めていく中心的な業務です。ユーザーにとって有益で、かつ自社のビジネス目標達成に貢献するコンテンツを継続的に発信し続けることで、サイトは「育って」いきます。

主な業務内容は以下の通りです。

  • 新規コンテンツの企画・制作:ターゲットユーザーがどのような情報を求めているかを調査し、ブログ記事、導入事例、お役立ち資料、動画コンテンツなどを企画・制作します。
  • 既存コンテンツの更新(リライト):公開済みの記事も、情報が古くなったり、競合サイトに順位を抜かれたりすることがあります。定期的に内容を見直し、最新情報への更新や、より分かりやすい表現への修正を行います。特にサービス料金や法律に関する情報は、常に正確性を保つ必要があります
  • お知らせやニュースの更新:企業の最新情報を発信し、活動的な企業であることをアピールします。

SEO対策による検索順位の改善

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)は、Googleなどの検索エンジンで自社サイトが上位に表示されるように施策を行い、サイトへの自然流入を増やすための活動です。SEO対策は大きく3つに分類されます。

対策の種類概要具体的な施策例
内部対策検索エンジンがサイトの情報を正しく認識し、評価しやすくするための施策。タイトルタグや見出しタグの最適化、内部リンクの整備、XMLサイトマップの送信、パンくずリストの設置、表示速度の改善など。
外部対策他の質の高いWebサイトからリンク(被リンク)を獲得し、サイトの信頼性や権威性を高めるための施策。関連性の高いサイトにコンテンツを紹介してもらう、プレスリリースを配信するなど。
コンテンツSEOユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツを作成・発信し、検索エンジンからの評価を高める施策。ターゲットキーワードの選定、網羅的で専門性の高い記事の作成、定期的な情報更新など。

SEO対策は一度行ったら終わりではなく、検索エンジンのアルゴリズムの変動や競合の状況をみながら、継続的に分析と改善を繰り返すことが成功の鍵です。

アクセス解析とデータ分析

Webサイト運用の成果を客観的に評価し、次の改善策を立案するための羅針盤となる業務です。「Google Analytics」や「Google Search Console」といったツールを用いて、サイトの現状をデータに基づいて把握します。

主に以下のような指標を分析します。

  • ユーザー数・PV数:どれくらいの人が、どのくらいのページを見ているか。
  • 流入経路:ユーザーは検索、SNS、広告など、どこからサイトに訪れたか。
  • コンバージョン(CV)数:「商品購入」「問い合わせ」といったサイトの目標をどれだけ達成できたか。
  • 検索クエリ:ユーザーがどのようなキーワードで検索してサイトにたどり着いたか。
  • 直帰率・離脱率:サイトに訪れたユーザーが、すぐに離れてしまっていないか。

これらのデータを分析することで、「どのコンテンツが人気か」「どの施策に効果があったか」を明確にし、データに基づいた改善のサイクルを回すことができます。

UI・UXの改善とサイト改修

UI(ユーザーインターフェース)はボタンのデザインやレイアウトなど「ユーザーとの接点」、UX(ユーザーエクスペリエンス)は「サイトを通じた体験の質」を指します。ユーザーが目的の情報を探しやすく、ストレスなく操作できるサイトを目指して改善を重ねる業務です。

具体的な改善例は以下の通りです。

  • ナビゲーションの改善:メニュー構成を見直し、ユーザーが迷わずに目的のページにたどり着けるようにします。
  • スマートフォン対応:スマートフォンの小さな画面でも文字やボタンが見やすく、操作しやすいようにレイアウトを最適化します。
  • 表示速度の改善:ページの読み込みが遅いとユーザーは離脱してしまいます。画像の圧縮や不要なプログラムの削除などで高速化を図ります。
  • EFO(入力フォーム最適化):問い合わせフォームなどで、入力項目を減らしたり、エラー表示を分かりやすくしたりして、ユーザーの入力を手助けします。

アクセス解析データやヒートマップツール(ユーザーの熟読箇所やクリック箇所を可視化するツール)などを活用し、ユーザーの行動から課題を発見して改善を繰り返すことで、コンバージョン率の向上や顧客満足度の向上に繋がります。

セキュリティ対策と障害対応

企業の信頼を守る上で極めて重要な業務です。サイバー攻撃によるサイト改ざんや情報漏洩、サーバーダウンなどのトラブルを未然に防ぎ、万が一発生した際には迅速に対応できる体制を整えておきます。

  • 日常的なセキュリティ対策:CMSやプラグインを常に最新の状態に保つ、パスワードを複雑なものに設定する、WAF(Web Application Firewall)を導入する、といった予防策を講じます。
  • 定期的なバックアップ:万が一の事態に備え、サイトのデータを定期的にバックアップしておきます。これにより、ハッキング被害や操作ミスがあっても、正常な状態に復旧できます。
  • 障害発生時の対応:「サイトが表示されない」「レイアウトが崩れている」といったトラブルが発生した際に、原因を迅速に特定し、復旧作業にあたります。サーバー会社や制作会社との連絡体制を事前に確立しておくことが、迅速な復旧の鍵となります。

Webサイト運用にかかる費用の内訳と相場

Webサイトの運用には、サイトをインターネット上に公開し続けるための「維持費」と、サイトを成長させて成果を出すための「施策費」の2種類が存在します。これらの費用は、自社で運用(内製)するのか、専門の制作会社に依頼(外注)するのかによって、その内訳と金額が大きく異なります。ここでは、それぞれのケースにおける具体的な費用の内訳と相場を詳しく解説します。

自分でWebサイト運用を行う場合(内製)の費用

内製でWebサイトを運用する場合、外部に支払う費用は比較的安価に抑えられますが、その分、担当者の人件費という目に見えにくいコストが発生することを忘れてはなりません。主な費用は「サーバー・ドメインなどの固定費」と「担当者の人件費」です。

具体的な固定費の内訳と相場は以下の通りです。

費用項目費用相場(目安)内容
サーバーレンタル費用月額500円~10,000円程度Webサイトのデータを保管する場所のレンタル費用です。共用サーバー(エックスサーバーなど)なら安価ですが、アクセス数が多いサイトや大規模サイトではVPSやクラウドサーバー(AWSなど)が必要になり、費用は高くなります。
ドメイン管理費用年額1,000円~5,000円程度「〇〇.com」や「〇〇.co.jp」といったサイトの住所(URL)を維持するための費用です。ドメインの種類(.com, .jpなど)によって料金が異なります。
SSL証明書費用年額0円~100,000円程度サイトの通信を暗号化し、セキュリティを担保するための証明書です。サーバー契約時に無料で利用できるもの(Let’s Encryptなど)も多いですが、企業の信頼性を示すより高度な認証(企業認証SSL、EV SSL)が必要な場合は有料となります。
有料ツール・プラグイン費用月額0円~数万円程度WordPressの有料テーマや高機能なプラグイン、SEO分析ツール(Ahrefsなど)、ヒートマップツールなどを導入する場合に発生します。どのようなツールを使うかによって費用は大きく変動します。

これらの固定費に加えて、最も大きな割合を占めるのが「人件費」です。Web担当者がコンテンツの作成、SEO対策、アクセス解析、サイトの更新作業などに費やす時間そのものがコストとなります。例えば、月収40万円の担当者が業務時間の半分(約80時間)をサイト運用に費やす場合、月額20万円の人件費がかかっている計算になります。内製化を検討する際は、この見えないコストを必ず考慮に入れましょう。

制作会社に外注する場合の費用相場

専門知識を持つ制作会社や運用代行会社に外注する場合、内製よりも費用は高くなりますが、プロのノウハウを活用して効率的に成果を上げられる可能性があります。外注費用は、依頼する業務範囲によって大きく異なり、主に「保守管理プラン」と「コンサルティングや集客支援プラン」に分けられます。

保守管理プランの料金

保守管理プランは、Webサイトを安全かつ正常な状態に保つための基本的なメンテナンスを依頼するものです。サーバーやドメインの管理、ソフトウェアのアップデート、データのバックアップ、軽微なテキスト修正などが主な業務内容です。

プラン内容費用相場(月額)主なサービス内容
最低限の保守プラン5,000円~20,000円サーバー・ドメイン管理代行、定期的なバックアップ、CMSやプラグインのアップデート作業など、サイトの維持に最低限必要な業務。
一般的な保守プラン20,000円~50,000円最低限の保守内容に加え、月に数回程度のテキスト修正や画像差し替え、電話やチャットでの運用相談サポートなどが含まれます。
手厚いサポート付きプラン50,000円~100,000円一般的な保守内容に加え、定期的なレポート提出、軽微なデザイン修正、障害発生時の優先対応など、より手厚いサポートが受けられます。

注意点として、格安の保守プランでは作業範囲が厳しく制限されている場合があります。「テキスト修正は月1回まで」「画像の差し替えは別料金」など、契約内容を事前にしっかり確認することが重要です。また、セキュリティインシデント発生時の対応がプランに含まれているかも確認しておきましょう。

コンサルティングや集客支援プランの料金

サイトを維持するだけでなく、集客やブランディングといった目的を達成するために、より積極的な施策を依頼するのがこのプランです。SEO対策、コンテンツマーケティング、アクセス解析に基づく改善提案など、専門的な知見を要する業務が中心となります。

プラン内容費用相場(月額)主なサービス内容
アクセス解析・レポートプラン30,000円~100,000円Google Analytics 4などを活用したデータ分析と、現状の課題や改善点をまとめたレポートの作成・報告会を実施します。
SEOコンサルティングプラン100,000円~500,000円キーワード戦略の策定、内部施策・外部施策の提案、コンテンツ企画など、検索順位を向上させるための戦略的なコンサルティングを行います。
コンテンツマーケティング支援プラン100,000円~SEOを意識したコラム記事や導入事例などのコンテンツを定期的に制作・公開します。記事の品質や本数によって費用は大きく変動します(記事制作費用は1本5万円~が目安)。
サイト改善(UI/UX)コンサルティングプラン150,000円~アクセス解析やヒートマップ分析に基づき、ユーザーが使いやすいサイトデザインや導線の改善提案を行います。実際の改修作業は別途費用がかかる場合が多いです。

これらのプランは、企業の目標やサイトの規模、課題によって提供されるサービス内容が大きく異なるため、あくまで目安としてお考えください。複数の会社から見積もりを取り、自社の課題解決に最も貢献してくれるパートナーを選ぶことが、費用対効果の高いWebサイト運用を実現する鍵となります。

成果を出すWebサイト運用の始め方と成功のコツ

Webサイトは制作して公開すれば終わりではありません。むしろ、公開してからが本当のスタートです。ここでは、Webサイト運用で着実に成果を出すための具体的な始め方と、成功に導くための重要なコツを3つのステップに分けて詳しく解説します。

ステップ1 目的とKPIを設定する

Webサイト運用を成功させるための最初のステップは、「何のために運用するのか」という目的を明確にし、その達成度を測るための具体的な指標(KPI)を設定することです。目的が曖昧なままでは、施策の方向性が定まらず、効果測定もできません。羅針盤のない航海に出るようなもので、時間とコストを浪費するだけになってしまいます。

まずは、自社のビジネス課題とWebサイトを連携させ、以下のような目的を具体的に設定しましょう。

  • 新規顧客からの問い合わせを増やしたい
  • オンラインでの商品・サービスの売上を伸ばしたい
  • 企業の認知度を高め、ブランディングを強化したい
  • 優秀な人材を採用するための応募を増やしたい

目的が定まったら、その目的がどの程度達成できたかを客観的に評価するためのKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定します。KPIは、「SMART」と呼ばれるフレームワークに沿って設定すると、より効果的です。

  • Specific:具体的で分かりやすいか
  • Measurable:測定可能か
  • Achievable:達成可能か
  • Relevant:目的と関連性があるか
  • Time-bound:期限が定められているか

例えば、「問い合わせを増やす」という目的であれば、「3ヶ月後までに、Webサイトからの月間問い合わせ件数を20件にする」といった具体的なKPIを設定します。以下に目的別のKPI設定例をまとめました。

Webサイト運用の目的KPIの具体例
新規顧客獲得・集客月間問い合わせ件数、資料ダウンロード数、ユニークユーザー数、セッション数、PV数
売上向上(ECサイトなど)コンバージョン率(CVR)、購入数、売上金額、平均顧客単価、カート放棄率
ブランディング指名検索数、被リンク数、SNSでのサイテーション(言及)数、記事の閲覧数
採用活動採用ページからのエントリー数、採用ページのPV数、説明会への申込数

ステップ2 運用体制を構築する(内製か外注か)

目的とKPIが明確になったら、次にそれを実行するための運用体制を構築します。Webサイト運用の体制は、大きく分けて「内製(自社で行う)」と「外注(外部の専門会社に委託する)」の2つがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

自社の予算、人材、そしてWebサイト運用の目的に合わせて最適な体制を選択することが重要です。

内製(自社運用)外注(外部委託)
メリット
  • コストを比較的安価に抑えられる
  • 迅速な意思決定と実行が可能
  • 社内に運用ノウハウが蓄積される
  • 自社サービスへの深い理解に基づいた運用ができる
  • プロの専門知識や最新ノウハウを活用できる
  • 社内リソースの不足を補える
  • 客観的な視点からの分析や提案が期待できる
  • 自社の担当者はコア業務に集中できる
デメリット
  • 専門知識を持つ人材の確保・育成が必要
  • 担当者の業務負荷が増大しやすい
  • 業務が属人化するリスクがある
  • 最新情報のキャッチアップが大変
  • 継続的なコストが発生する
  • コミュニケーションコストがかかる
  • 社内にノウハウが蓄積されにくい
  • 業者選定を誤ると成果が出ない

最近では、全てを内製・外注するのではなく、両方を組み合わせる「ハイブリッド型」を選択する企業も増えています。例えば、「コンテンツの企画や記事作成は自社で行い、専門性が求められるSEO対策やアクセス解析、広告運用は外部のプロに任せる」といった体制です。自社の強みを活かしつつ、弱みを専門家で補うことで、効率的かつ効果的な運用が可能になります。

ステップ3 PDCAサイクルを回して継続的に改善する

Webサイト運用は、一度施策を実行したら終わりではありません。市場やユーザーのニーズ、検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しています。そのため、「計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)」というPDCAサイクルを継続的に回し、サイトを常に最適化していくことが成功の絶対条件です。

Plan(計画)

ステップ1で設定したKPIを達成するために、具体的な施策を計画します。「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを明確にし、仮説を立てることが重要です。例えば、「20代女性向けの商品のコンバージョン率を5%向上させる」という目標に対し、「ターゲット層に響くインフルエンサーを起用した導入事例コンテンツを3本作成し、SNSで拡散する」といった具体的な計画を立てます。

Do(実行)

計画に基づいて、コンテンツ作成、SEO対策、サイト改修などの施策を着実に実行します。この際、いつ、誰が、何を行ったのかを記録しておくことが重要です。後の評価(Check)フェーズで、どの施策が効果的だったのかを正確に分析するための貴重なデータとなります。

Check(評価)

実行した施策の結果を、データに基づいて客観的に評価します。GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールといったアクセス解析ツールを活用し、設定したKPIの達成度はもちろん、PV数、滞在時間、直帰率などの指標がどのように変化したかを確認します。ここで最も重要なのは、単に数値の増減を見るだけでなく、「なぜその結果になったのか」という要因を深く考察することです。成功要因と失敗要因を明らかにすることが、次の改善に繋がります。

Action(改善)

評価・分析の結果をもとに、次のアクションを決定します。効果のあった施策は、さらに成果を伸ばすために継続・発展させます(横展開など)。一方で、期待した効果が得られなかった施策は、その原因を分析し、やり方を変えて再挑戦するか、あるいは中止するという判断を下します。この改善策が、次のPlan(計画)となり、新たなPDCAサイクルがスタートします。このサイクルをスピーディーに、そして粘り強く回し続けることが、Webサイトを「成果の出る資産」へと成長させる唯一の方法です。

Webサイト運用を外注する際の会社の選び方

Webサイト運用を外注することは、専門的なノウハウを活用し、自社のリソースをコア業務に集中させるための有効な手段です。しかし、数多くの制作会社やマーケティング会社の中から、自社に最適なパートナーを見つけるのは容易ではありません。価格の安さだけで選んでしまうと、「期待した成果が出ない」「コミュニケーションがうまくいかない」といった失敗に繋がりかねません。ここでは、Webサイト運用の外注で失敗しないための会社の選び方を3つのポイントに絞って解説します。

自社の課題に合った実績や強みがあるか

外注先を選ぶ上で最も重要なのは、自社が抱える課題を解決できる実績と強みを持っているかという点です。まずは自社のWebサイトの目的(新規顧客獲得、ブランディング、採用強化など)を再確認し、現状の課題を明確にしましょう。その上で、候補となる会社の得意分野と照らし合わせることが不可欠です。

Webサイト運用を支援する会社には、それぞれ得意な領域があります。以下の表を参考に、自社の目的に合った会社の種類を見極めましょう。

会社の種類主な強み・得意領域どのような企業におすすめか
Web制作会社デザイン性の高いサイト構築、UI/UX改善、WordPressなどのCMS構築・保守。制作後の保守管理を主軸とすることが多い。サイトリニューアルやデザイン改善を主軸に、安定した保守管理を求めている企業。
SEOコンサルティング会社検索エンジン最適化(SEO)に関する高度な専門知識。キーワード戦略、テクニカルSEO、コンテンツSEOによる集客力向上。オーガニック検索からの流入を増やし、中長期的な集客基盤を構築したい企業。
Webマーケティング会社SEO、Web広告運用、SNSマーケティング、コンテンツマーケティングなど、Web全体の戦略立案と実行支援。複数のチャネルを組み合わせて、Webマーケティング全体の成果を最大化したい企業。
広告代理店リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などの広告運用に特化。予算に応じた広告効果の最大化。短期的にでもWebサイトへのアクセスやコンバージョンを増やしたい企業。

候補の会社の公式サイトで、導入事例や実績紹介を必ず確認しましょう。その際、自社と同じ業界や事業規模の企業の成功事例があるか、具体的な数値(アクセス数、CVR、売上など)で成果を示しているかを重点的にチェックしてください。抽象的な成功体験だけでなく、どのような課題に対して、どういった施策を行い、結果としてどのような成果が出たのか、そのプロセスが明確な会社は信頼性が高いと言えます。

サポート範囲と契約内容が明確か

「思っていた業務をやってくれない」「追加費用が次々と発生する」といったトラブルは、契約前の認識のズレが原因で起こります。後々のトラブルを避けるためにも、サポートの具体的な範囲と契約内容を事前に書面で確認することが極めて重要です。

見積もりや提案を受ける際には、少なくとも以下の項目について詳細を確認し、不明な点は遠慮なく質問しましょう。

  • 保守管理業務:サーバー・ドメインの管理、CMSやプラグインのアップデート、定期的なバックアップなどが含まれているか。
  • コンテンツ更新:月に何回まで、どの程度の作業(テキスト修正、画像差し替え、新規ページ作成など)に対応してくれるのか。作業ボリュームの定義は明確か。
  • 分析・レポート:アクセス解析レポートはどのような頻度(月次、週次など)で提出されるか。レポートにはどのような項目(PV、UU、CVR、検索順位など)が含まれ、どのような考察や改善提案があるのか。
  • 打ち合わせ:定例ミーティングの頻度、時間、形式(対面、オンライン)はどうなっているか。
  • SEO対策:契約範囲に含まれるSEO対策は何か(内部対策、コンテンツ提案、被リンク分析など)。キーワード調査や競合分析は実施してくれるのか。
  • 緊急時対応:サーバーダウンやサイト改ざんなどの障害が発生した場合の対応時間や連絡方法、復旧作業の範囲はどこまでか。
  • 追加費用:契約範囲を超える作業を依頼した場合の料金体系(作業単価、見積もり基準など)は明確か。
  • 契約期間と解約条件:最低契約期間の有無や、中途解約時の条件、データの所有権について確認しておく。

複数の会社から見積もりを取る際は、これらの項目をリスト化して比較検討すると、各社のサービス内容とコストパフォーマンスを正確に把握できます。

担当者とのコミュニケーションは円滑か

Webサイト運用は、一度依頼したら終わりではなく、長期的に伴走していくパートナーシップです。そのため、担当者との相性やコミュニケーションの質が、プロジェクトの成否を大きく左右します。どんなに優れた実績を持つ会社でも、担当者との意思疎通がうまくいかなければ、成果に結びつきません。

契約前の打ち合わせやヒアリングの段階で、以下の点を見極めましょう。

  • 専門知識と説明の分かりやすさ:こちらの質問に対して、的確に回答してくれるか。専門用語を並べるだけでなく、Webに詳しくない人にも理解できるよう、かみ砕いて説明してくれるか。
  • レスポンスの速さと質:メールや電話への返信は迅速か。単に早いだけでなく、質問の意図を正確に汲み取った、質の高い回答が返ってくるか。
  • 提案力:こちらの要望を鵜呑みにするだけでなく、目的達成のための課題を指摘し、プロの視点から積極的な改善策を提案してくれるか。
  • ヒアリング能力と業界理解:自社のビジネスモデルや業界の特性、Webサイトの目的や課題を深く理解しようと、熱心にヒアリングしてくれるか。
  • 人柄と熱意:ビジネスパートナーとして、長期的に良好な関係を築けそうか。プロジェクトに対する熱意や誠実さが感じられるか。

可能であれば、契約前に実際に運用を担当する予定の担当者と面談する機会を設けてもらいましょう。窓口の営業担当者と実務担当者が異なるケースは少なくありません。円滑なコミュニケーションが期待できる、信頼できるパートナーを選ぶことが、Webサイト運用を成功に導く最後の鍵となります。

まとめ

Webサイトは制作して終わりではなく、公開後からが本当のスタートです。新規顧客の獲得やブランディングといったビジネス目標を達成するためには、コンテンツ更新、SEO対策、アクセス解析、UI・UX改善といった継続的な運用活動が不可欠となります。成功の鍵は、まず明確な目的とKPIを設定し、PDCAサイクルを回し続けること。本記事を参考に自社に合った運用体制を構築し、成果につながるWebサイトを育てていきましょう。

この記事を書いた人

Atsushi

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