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LP

2025.10.29

「あと一歩」で離脱させない!成約率を高めるランディングページのクロージング構成術

ランディングページの最後でユーザーが離脱してしまう…そんな悩みを抱えていませんか?実はLPの成約率を最終的に決定づけるのは、ユーザーの背中を押す「クロージング」です。本記事では、離脱を防ぎ成約率を劇的に高めるクロージングの9つの構成要素から、すぐに使える心理テクニック、改善のためのABテストまでを網羅的に解説。あなたのLPの「あと一歩」を確実な成果に変えるための、具体的な方法がすべてわかります。

Contents

ランディングページの成否を分けるクロージングの重要性

どれほど魅力的なキャッチコピーでユーザーの心を掴み、共感を呼ぶストーリーで商品の必要性を訴えかけても、最後のクロージングが弱ければ、すべては水の泡となります。ランディングページ(LP)におけるクロージングとは、いわばマラソンのゴールテープ。ユーザーが「購入する」「申し込む」という最終的な行動を起こすかどうかの最後の砦であり、ここでの「あと一押し」が成約率(CVR)を劇的に左右するのです。

多くの企業がLPのファーストビューやボディコピーの改善に注力しますが、実は最も多くのユーザーが離脱する可能性があるのが、このクロージング部分です。この記事では、なぜクロージングがランディングページの心臓部とまで言えるのか、その重要性を深く掘り下げていきます。

なぜLPの「最後」がこれほど重要なのか?

LPを読み進めてきたユーザーの心理状態は、非常にデリケートです。商品やサービスへの興味・関心は最高潮に達している一方で、「本当にこの選択で良いのだろうか?」「もっと良いものがあるのではないか?」「損をしたくない」といった不安や迷いも同時に最大化しています。この期待と不安が天秤にかかっている状態のユーザーの背中をそっと、しかし力強く押すのがクロージングの役割です。

マーケティングの古典的なフレームワークである「AIDAの法則(Attention, Interest, Desire, Action)」においても、クロージングは最後の「Action(行動)」を直接引き起こすための最終かつ最重要フェーズに位置づけられます。ここでの訴求が弱ければ、ユーザーは行動を起こすことなく、静かにページを閉じてしまうでしょう。いわゆる「カゴ落ち」や「フォーム前離脱」の多くは、このクロージング部分での不安払拭が不十分なために発生しているのです。

クロージングが弱いLPが招く悲劇的な結末

もしあなたのLPのクロージングが機能不全に陥っている場合、ビジネスに深刻なダメージを与えかねません。それは単に「売上が伸びない」という問題だけでなく、広告費の浪費やブランド価値の毀損にまで繋がります。

クロージングが弱いLPが引き起こす問題具体的な影響
広告費の無駄遣いリスティング広告やSNS広告で多額の費用をかけてユーザーを集めても、最終的なコンバージョンに至らないため、獲得単価(CPA)が高騰し、広告費を垂れ流している状態になります。
膨大な機会損失商品に強い興味を持った「あと一歩」の見込み客を取り逃がし続けます。これは、本来得られるはずだった売上と、その顧客が将来もたらすはずだった利益(LTV)の両方を失うことを意味します。
ブランドイメージの低下「なんだか怪しい」「信頼できない」といったネガティブな印象をユーザーに与えてしまうと、再訪の可能性は著しく低下します。不信感を与えるクロージングは、商品や企業そのもののブランド価値を損ないます。

強力なクロージングがもたらすビジネスインパクト

一方で、戦略的に設計された強力なクロージングは、ビジネスに絶大な好影響をもたらします。それは単なるテクニックではなく、ユーザーの不安に寄り添い、信頼関係を築くためのコミュニケーションそのものです。

例えば、月間10,000アクセスがあり、コンバージョン率が1%のLPがあったとします。このLPのクロージングを改善し、コンバージョン率がわずか0.5%改善して1.5%になっただけで、コンバージョン数は100件から150件へと1.5倍に増加します。クロージングのわずかな改善が、売上を劇的に向上させるレバレッジポイントになるのです。

このように、クロージングはLP全体の効果を最大化し、投下した広告費用の回収率を高め、ひいては事業全体の成長をドライブする極めて重要な要素です。次の章からは、この成否を分けるクロージングを具体的にどのように構築していくのか、その構成要素とテクニックを詳しく解説していきます。

そもそもランディングページのクロージングとは?その役割を解説

ランディングページ(LP)のクロージングとは、ページを読み進めてきたユーザーに対して、購入や申し込みといった最終的な行動(コンバージョン)を決定づけるための最後のセクションを指します。一般的に、CTA(Call To Action)ボタンが設置されている周辺エリア全体がクロージング部分にあたります。

LPは通常、「ファーストビュー」「ボディ」「クロージング」の3つのパートで構成されます。ボディ部分で商品やサービスの魅力、必要性を十分に伝えたとしても、ユーザーは最後の最後で「本当に今決めてしまっていいのだろうか?」という迷いや不安を抱くものです。この最終的な心理的ハードルを取り除き、ユーザーの背中をそっと、しかし力強く押してあげるのがクロージングの役割です。まさに、対面販売における営業マンの最後の決め台詞や提案と同じ機能を担っていると言えるでしょう。

どれだけ魅力的なボディコピーを用意しても、このクロージングが弱ければ、ユーザーは「あと一歩」のところで離脱してしまいます。コンバージョン率(CVR)を最大化するためには、クロージングの設計が極めて重要になるのです。

クロージングが担う3つの役割

ランディングページのクロージングは、単に行動を促すだけでなく、ユーザー心理に働きかける複数の重要な役割を担っています。主な役割は次の3つに整理できます。

役割具体的な内容ユーザーに与える効果
1. 不安の解消「損をしないか」「自分に合うか」といった購入直前の疑問や不安に先回りして回答します。具体的には、よくある質問(FAQ)、返金保証、アフターサポートの提示などがこれにあたります。金銭的・品質的なリスクへの懸念が払拭され、安心して申し込めるという気持ちになります。
2. 信頼の醸成商品やサービス、そして提供する企業が信頼に足るものであることを証明します。お客様の声、専門家からの推薦、メディア掲載実績といった「社会的証明」や「権威性」が効果的です。「他の人も使っているなら安心」「専門家が言うなら間違いない」といった信頼感や納得感が生まれます。
3. 行動の促進「なぜ今、行動すべきなのか」という理由を明確に提示し、決断を後押しします。期間限定キャンペーンや数量限定オファーといった「緊急性」や「限定性」の演出が代表的な手法です。「今を逃すと損をするかもしれない」という心理が働き、先延ばしにせず即座に行動する動機付けになります。

これらの役割を効果的に組み合わせることで、クロージングはユーザーの迷いを確信へと変える強力なエンジンとなります。

ユーザーの最後の迷いを断ち切る「ひと押し」

LPを最後まで読んでくれたユーザーは、すでにあなたの商品やサービスに高い関心を持っています。「良さそうだな」「欲しいかもしれない」と感じている状態です。

しかし、その一方で、人間の心理として現状維持を望む「現状維持バイアス」や、何かを得る喜びよりも失う痛みを大きく感じる「損失回避の法則」が働き、最後の決断をためらわせます。

  • 「本当に自分に使いこなせるだろうか?」
  • 「もっと安くて良い商品が他にあるかもしれない…」
  • 「申し込み手続きが面倒だったらどうしよう?」
  • 「今じゃなくても、また今度でいいかな?」

このような、頭に浮かぶ最後の「でも…」や「もし…」といった迷いやためらい。これこそが、コンバージョンにおける最大の壁です。クロージングの役割は、まさにこの壁を打ち破り、ユーザーの疑問や不安を一つひとつ丁寧に解消し、行動への最後の一歩を後押しする「ひと押し」を提供することにあります。

クロージングは、ユーザーが抱えるであろうあらゆる懸念を予測し、それに対する答えをあらかじめ用意しておく「おもてなし」のセクションでもあります。この最後の「ひと押し」が成功するか否かで、ランディングページの成約率は劇的に変わるのです。

成約率が劇的に変わるランディングページのクロージング9つの構成要素

ランディングページを最後まで読み進めてくれたユーザーは、あなたの提供する商品やサービスに強い興味を持っています。しかし、その最後の「申し込み」や「購入」という行動には、心理的なハードルが伴います。クロージングは、そのハードルを乗り越えるための「最後のひと押し」です。ここでは、ユーザーの背中を優しく、しかし力強く押すための9つの構成要素を具体的に解説します。

要素1 行動を促すCTAの再提示

クロージINGの心臓部とも言えるのが、CTA(Call To Action:行動喚起)です。ページの冒頭や中盤で提示したCTAを、すべての情報を理解し、納得感が高まったこのタイミングで改めて提示することが極めて重要になります。

ユーザーが「さて、どうしようか」と考えた瞬間に、次に取るべき具体的なアクションを明確に示すことで、迷わずコンバージョンへと進んでもらえます。ここでのマイクロコピー(ボタンの文言)は、ユーザーが得られる価値が一目でわかるように工夫しましょう。

例えば、単に「申し込む」とするだけでなく、「無料で資料をダウンロードする」「今すぐ30日間無料体験を始める」「専門家に無料で相談する」のように、具体的かつメリットが伝わる言葉を選ぶことで、クリック率は大きく変わります。

要素2 社会的証明で安心感を与えるお客様の声や実績

人は商品やサービスを選ぶ際、「他の人はどう評価しているか」を非常に気にします。この「多数の意見や行動に同調したくなる」という心理を「社会的証明(ソーシャルプルーフ)」と呼びます。クロージング段階でこの社会的証明を提示することは、「自分だけが損をするのではないか」というユーザーの潜在的な不安を払拭し、絶大な安心感を与える効果があります。

お客様の声や口コミの掲載方法

「お客様の声」は、社会的証明の中でも特に強力なコンテンツです。ただ掲載するだけでなく、その「質」にこだわることで効果が最大化します。以下のポイントを意識して、信頼性の高いお客様の声を作成しましょう。

掲載のポイント具体的な方法ユーザーに与える効果
リアリティの追求顔写真や動画、実名(難しい場合はイニシャルや仮名)、年齢や職業などのプロフィールを掲載する。手書きのアンケートやSNSの投稿をそのまま画像として使うのも有効。「実在する人物の声だ」という信憑性が増し、広告特有のうさん臭さを払拭できる。
ストーリーテリング「どんな悩みを抱えていたか(Before)」→「商品を使った結果どうなったか(After)」という変化が具体的にわかるエピソードを語ってもらう。ユーザーが自分自身の状況と重ね合わせやすくなり、「自分もこうなれるかもしれない」という期待感を抱かせることができる。
ターゲットとの共通点掲載するお客様の属性(年齢、性別、家族構成、職種など)を、LPのターゲット層と合致させる。「自分と似たような人が満足しているなら安心だ」という共感が生まれ、商品への親近感が一気に高まる。

メディア掲載実績や受賞歴

第三者機関からの客観的な評価は、企業の信頼性を裏付ける強力な証拠となります。テレビ、新聞、雑誌、有名なWebメディアなど、権威ある媒体での掲載実績は、そのロゴと合わせて積極的にアピールしましょう。

例えば、「『ワールドビジネスサテライト』で紹介されました」「『日経WOMAN』掲載」といった具体的な媒体名を出すことで、「社会的に認められた信頼できるサービスである」というお墨付きをユーザーに与えることができます。業界内で権威のある賞の受賞歴なども、信頼獲得に大きく貢献します。

要素3 権威性で信頼を獲得する

社会的証明が「みんなの評価」であるのに対し、権威性は「専門家の評価」です。特定の分野における専門家や権威ある人物からの推薦は、ユーザーの意思決定に強い影響を与えます。

例えば、以下のような要素が権威性のアピールに繋がります。

  • 医師、弁護士、大学教授など、その分野の専門家による監修や推薦コメント
  • 商品開発者の経歴や資格(例:「元大手化粧品メーカー研究員が開発」「〇〇認定資格保有」)
  • 公的機関からの認定や特許取得情報

「その道のプロが言うなら間違いないだろう」という心理が働き、商品やサービスに対する信頼度が飛躍的に向上します。専門家の顔写真や具体的な肩書きを添えることで、その効果はさらに高まります。

要素4 よくある質問(FAQ)で疑問や不安を解消する

ユーザーが購入をためらう最後の理由は、些細な疑問や不安であることが少なくありません。FAQ(よくある質問)は、ユーザーが行動を起こす直前に抱くであろう、あらゆる不安や疑問を先回りして解消するための重要なセクションです。

「送料はかかりますか?」「支払い方法は何がありますか?」「解約はいつでもできますか?」「もし効果がなかったら?」といった、ユーザーが口に出しにくいネガティブな質問にも、誠実かつ明確に回答することが信頼に繋がります。疑問が解消されることで、ユーザーは安心してCTAボタンを押すことができるのです。アコーディオン形式(クリックで回答が開くUI)にすると、見た目がスッキリし、ユーザーが必要な情報だけを確認しやすくなります。

要素5 緊急性と限定性で「今すぐ」の行動を喚起する

魅力的な商品であっても、「後で考えよう」と思われてしまうと、そのまま忘れ去られてしまう可能性が高まります。この「先延ばし」を防ぎ、「今、行動しなければならない理由」を与えるのが緊急性と限定性の演出です。

「今だけ」を演出する緊急性のテクニック

緊急性は、「時間」を区切ることで「今すぐ行動しないと損をする」という感情を喚起します。

  • カウントダウンタイマー:「キャンペーン終了まであと 〇日〇時間〇分」と視覚的に示すことで、焦燥感を高めます。
  • 具体的な期限の明記:「本日23:59までのお申し込み限定」「今週末までの特別価格」など、明確な締め切りを設けます。

これらのテクニックは、ユーザーの検討時間を意図的に短縮させ、即断即決を促す効果があります。

「あなただけ」を演出する限定性のテクニック

限定性は、「数」や「対象」を絞ることで「手に入りにくさ(希少性)」を演出し、所有欲を刺激します。

  • 数量限定:「先着100名様限定」「在庫残りあと5点!」など、手に入る数に限りがあることを伝えます。
  • 対象者限定:「このページをご覧の方限定」「初回購入の方限定」など、特別なオファーであることを示します。

「このチャンスを逃したくない」という損失回避の心理が働き、ユーザーの購買意欲を強く後押しします。

要素6 購入のハードルを下げる返金保証やアフターサポート

特に高額な商品や、効果が目に見えにくいサービスの場合、ユーザーは「支払ったお金が無駄になったらどうしよう」という金銭的なリスクを感じています。このリスクを企業側が肩代わりする約束が「リスクリバーサル」です。

具体的には、「30日間全額返金保証」や「ご満足いただけなければ、理由を問わず返金いたします」といった保証制度がこれにあたります。金銭的なリスクがゼロになることで、ユーザーは「それなら試してみよう」と、申し込みへの心理的ハードルが劇的に下がります

また、「購入後1年間の無料サポート」「24時間対応のチャット相談窓口」といった手厚いアフターサポートの提示も、「購入した後も安心だ」という信頼感に繋がり、購入の決め手となり得ます。

要素7 ベネフィットの再確認で未来を想像させる

クロージングの最終盤で、ユーザーにもう一度「この商品・サービスを手に入れることで、自分の未来がどれだけ素晴らしいものになるか」を思い出してもらいましょう。これは、機能や特徴(ファクト)の羅列ではなく、ユーザーが得られる理想の状態(ベネフィット)を感情に訴えかける形で伝えることが重要です。

例えば、業務効率化ツールであれば、「毎日の残業がなくなり、家族と過ごす温かい夕食の時間が増えます」のように。ダイエット食品であれば、「来年の夏は、自信を持って好きな水着が着られるようになります」のように。ユーザーがベネフィットを自分ごととして鮮明にイメージできたとき、購入への意欲は最高潮に達します

箇条書きで「このサービスで手に入る3つの未来」のように簡潔にまとめるのも、情報を整理しやすく効果的です。

要素8 申し込みフローの簡潔な説明

いざ申し込もうと思っても、「手続きが面倒くさそう」と感じた瞬間にユーザーは離脱してしまいます。申し込みフォームへ誘導する直前で、そのプロセスがいかに簡単でスピーディーであるかを視覚的に示しましょう。

「お申し込みは、たったの3ステップ」「最短1分で入力完了!」といったキャッチコピーと共に、

  1. お客様情報の入力
  2. 入力内容の確認
  3. お申し込み完了

上記のようなステップをイラストやアイコンを使って図解することで、ユーザーは「これなら自分にもできそうだ」と安心し、ためらうことなく次のアクションへ進むことができます。入力項目が少ないことをアピールするのも非常に有効です。

要素9 追伸(P.S.)で感情に訴えかける

P.S.(追伸)は、Webライティングにおいても有効なテクニックです。本文とは少しトーンを変え、手紙の追伸のように語りかけることで、ユーザーとの心理的な距離を縮めることができます。

ここでは、開発者の想いやブランドストーリー、お客様への熱いメッセージなどを語ることで、論理ではなく感情に訴えかけます。「なぜこの商品を作ったのか」「あなたにどうなってほしいのか」といった作り手のパーソナリティが伝わることで、ユーザーは共感を覚え、最後の最後でファンになってくれる可能性があります。

また、「P.S. 繰り返しになりますが、この特別価格は明日までです。あなたの人生を変えるこのチャンスを、どうか見逃さないでください。」のように、最も重要なオファーやベネフィットを念押しする場としても非常に効果的です。

すぐに使えるランディングページのクロージング心理テクニック

ランディングページのクロージングでは、論理的な説得だけでなく、ユーザーの感情に働きかけ、無意識のうちに行動を後押しする心理テクニックが非常に有効です。ここでは、行動経済学や心理学の知見に基づいた、成約率をあと一押しする強力なテクニックを2つ、具体的な活用法とともに解説します。

損失回避の法則で行動を促す

人は「何かを得る喜び」よりも「何かを失う痛み」を2倍以上強く感じると言われています。これが「損失回避の法則」です。この心理を利用し、「今行動しないと損をしてしまう」という感情に訴えかけることで、ユーザーの迷いを断ち切り、行動を強く促すことができます。

ランディングページのクロージングでは、「この機会を逃すと、将来得られたはずの価値や特典を失う」という機会損失を具体的に提示することが重要です。単にメリットを伝えるだけでなく、「今だけの特典を逃す」「限定価格で買えなくなる」といった形で、失う可能性のあるものを明確に示しましょう。

訴求の方向性具体的なコピーライティング例ユーザーに与える心理的影響
得られる利益を伝える(通常)「今なら特別価格10,000円オフ!」
「限定特典プレゼント!」
お得感を感じるが、緊急性は低い。「また今度でもいいか」と思われやすい。
失う損失を伝える(損失回避)「キャンペーン終了後は、通常価格に戻り10,000円損してしまいます
「本日を逃すと、この限定特典を受け取る権利を失います
「損をしたくない」という強い感情が働き、すぐに行動しなければならないという切迫感が生まれる。

このように、同じ内容でも伝え方を変えるだけで、ユーザーが感じる緊急性や必要性は大きく変わります。「もったいない」「後で後悔したくない」という感情を喚起し、CTAボタンのクリックへと導きましょう。

バンドワゴン効果で多数派への同調を誘う

「バンドワゴン効果」とは、多くの人が支持しているものや流行しているものに対して、安心感を覚え、自分も同じ選択をしたくなる心理現象です。「みんなが使っているなら良いものに違いない」「自分だけ乗り遅れたくない」という感情を利用します。

ランディングページのクロージングでは、「いかに多くの人に選ばれ、支持されているか」を客観的な事実や数値で示すことが、この効果を最大限に引き出す鍵となります。前の章で解説した「お客様の声」や「実績」も、このバンドワゴン効果を狙った施策の一つです。

クロージングの最終段階で、これらの情報を改めて提示することで、「これだけ多くの人が満足しているなら、自分も試してみよう」という最後のひと押しになります。

表現方法具体的なコピーライティング例
具体的な数値を示す「販売開始から累計販売数100万個を突破!」
「すでに5,000名以上のビジネスパーソンが体験済みです」
人気度をアピールするお客様満足度97.2%の高評価をいただきました」
「〇〇(楽天、Amazonなど)ランキングで3部門No.1を達成!」
行列・順番待ちを演出する「大好評につき、現在〇週間待ちの状態です。今すぐご予約ください」
残りわずか! 次回入荷は未定です」

これらの表現は、ユーザーに「自分もこの多数派の一員になりたい」という欲求を喚起し、商品やサービスへの信頼性を高めます。特に、判断に迷っているユーザーに対して、「多くの人が選んでいる」という事実は、その選択が正しいものであるという強力な後押しとなるのです。

ランディングページのクロージングで失敗しないための注意点

どれだけ魅力的なクロージングの構成要素を並べても、伝え方を間違えればユーザーは離れていってしまいます。成約率を最大化するためには、ユーザーの信頼を損なわず、スムーズに行動へと導くための細やかな配慮が不可欠です。ここでは、多くのランディングページが見落としがちな3つの重要な注意点を解説します。

過度な煽りや嘘は信頼を損なう

クロージングで「最後のひと押し」を狙うあまり、焦りや不安を過剰に煽る表現を使ってしまうケースが散見されます。しかし、短期的なコンバージョンを追うための誇張表現は、長期的に見てブランドの信頼を著しく損なう危険な行為です。

特に、「今買わないと絶対に損」「このチャンスを逃せば二度と手に入らない」といった強すぎる表現は、ユーザーに不快感や圧迫感を与え、かえって購入意欲を削いでしまいます。また、景品表示法における有利誤認表示や、特定商取引法に抵触するリスクも伴います。

同様に、実績や効果に関する嘘や根拠のない情報の掲載は絶対に避けなければなりません。「お客様満足度99%」と謳うのであれば、その調査機関、対象者、期間を明記するなど、客観的な根拠を示すことが必須です。一度失った信頼を取り戻すのは極めて困難であり、企業の存続そのものを揺るがす事態に発展しかねません

信頼を基盤としたクロージングを構築するために、煽るのではなく、ユーザーに寄り添う姿勢を大切にしましょう。

避けるべき表現(悪い例)推奨される表現(良い例)
全員が効果を実感!奇跡の美容液!〇〇名のモニターアンケートで92%の方が「ハリが出た」と回答。(※個人の感想であり効果を保証するものではありません)
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情報過多でユーザーを混乱させない

ユーザーの不安をすべて解消しようとするあまり、クロージング部分にあらゆる情報を詰め込んでしまうのもよくある失敗です。料金プランが複数ありすぎたり、特典が多すぎて何がお得なのか分からなかったりすると、ユーザーは選択の多さに圧倒され、「考えるのが面倒だ」と感じてしまい、最終的な決断を先延ばしにして離脱する原因となります(決定回避の法則)。

クロージングは、新たな情報を提示する場ではありません。これまで伝えてきた商品の価値やベネフィットを再確認させ、ユーザーの意思決定を後押しし、スムーズに行動へ集約させるための最終ステージです。提示する情報は、ユーザーが決断するために本当に必要なものだけに絞り込みましょう。

例えば、料金プランが3つある場合は、最もおすすめのプランを「一番人気」などとハイライトし、視覚的に選びやすくする工夫が有効です。FAQも、特に重要な質問3〜5個に厳選し、それ以上になる場合はアコーディオン形式(クリックで回答が開くUI)にして、見た目をスッキリさせることが重要です。ユーザーの認知的な負担を減らし、迷いなくCTAボタンを押せる状態を作り出しましょう。

CTAボタンのデザインと配置

CTA(Call To Action)ボタンは、ユーザーをコンバージョンへと導くための最終的なゴール地点です。このボタンのデザインや配置が、ランディングページの成約率を大きく左右します。

まずデザインにおいて重要なのは、「一目でボタンだと認識できる視認性」です。背景色に埋もれてしまったり、テキストリンクと見分けがつかなかったりするデザインは避けましょう。ブランドイメージと調和させつつ、コントラストの高い目立つ色を選ぶのが基本です。ボタンの文言(マイクロコピー)も極めて重要です。「送信」「購入」といった事務的な言葉ではなく、「無料で資料をダウンロードする」「30秒で簡単登録して相談を始める」のように、ユーザーが得られるメリットや行動のハードルの低さを示す言葉を選ぶことで、クリック率は大きく改善します。

配置については、ユーザーが「欲しい」と思った瞬間にすぐに行動できるよう、適切な場所に設置する必要があります。コンテンツの最後に一つだけ置くのではなく、ボディコピーの重要な区切りや、クロージINGの冒頭部分にも設置するのが効果的です。また、スクロールしても画面下部や右下に追従して表示される「追従型CTAボタン」は、ユーザーの決断のタイミングを逃さないための強力な施策となります。

チェック項目改善のポイント
視認性背景色とのコントラストをつけ、ボタンの周りに十分な余白を確保する。
文言(マイクロコピー)ユーザーのベネフィットや行動の具体性を示す。「無料で試す」「専門家に相談する」など。
色と形サイト全体のトンマナに合わせつつ、クリックを促す暖色系(オレンジ、緑など)が効果的な場合が多い。角を丸くすると柔らかい印象になる。
配置コンテンツの区切りごとや、クロージングの最後など、複数の場所に設置。追従型CTAも検討する。

CTAボタンは単なるリンクではありません。ユーザーの熱量をコンバージョンへと転換させるための、最も重要な道しるべであることを常に意識し、テストを繰り返しながら最適化していきましょう。

クロージング部分を改善し続けるABテストのすすめ

ランディングページは、一度公開したら終わりではありません。特に、ユーザーの最終的な意思決定を左右するクロージング部分は、データに基づいて継続的に改善することで、成約率(CVR)を飛躍的に向上させられる可能性を秘めています。その最も効果的な手法が「ABテスト」です。

ABテストとは、特定の要素を変更したAパターンとBパターンの2種類のページを用意し、どちらがより高い成果を出すかを実際にユーザーに配信して比較検証する手法です。勘や思い込みに頼るのではなく、客観的なデータに基づいて最適なクロージングを追求することができます。

テストすべきクロージングの要素とは

クロージング部分には、ABテストによって効果を検証すべき要素が数多く存在します。どこを改善すれば良いか分からない場合は、まずインパクトの大きい要素から試してみましょう。ここでは、テストすべき代表的な要素とその検証パターンの例を挙げます。

テスト要素テストする内容(変更パターン例)検証する仮説の例
CTAボタン
  • 文言:「無料で試す」vs「今すぐ申し込む」
  • 色:緑 vs オレンジ
  • 形・サイズ:角丸 vs 直角、大きくする
  • マイクロコピー:「簡単30秒で入力完了」の有無
CTAボタンはユーザーが最後に行動を起こす場所であり、文言や色を少し変えるだけでクリック率が大きく変動するのではないか。
お客様の声・実績
  • 写真:顔写真あり vs なし
  • 掲載順序:共感性の高い声 vs 実績がすごい声
  • 見せ方:テキストのみ vs 手書き風のデザイン
  • 数:3名 vs 5名
ターゲット層と近い属性の人物の顔写真付きの声を最初に掲載することで、ユーザーの共感と信頼感が高まり、申し込みへの安心材料となるのではないか。
緊急性・限定性の訴求
  • 表現:「期間限定」 vs 「〇月〇日まで」
  • タイマー:カウントダウンタイマーの有無
  • 限定数:「先着〇名様」 vs 「残り〇名様」
  • 訴求場所:CTAボタンの直上 vs 見出し
具体的な数字やタイマーを使って緊急性を演出することで、「今すぐ行動しなければ」という心理が働き、後回しにされるのを防げるのではないか。
よくある質問(FAQ)
  • 形式:アコーディオン形式(開閉式) vs 全て表示
  • 質問の順番:料金に関する質問が先 vs サービス内容に関する質問が先
  • 数:主要な3つ vs 詳細な7つ
FAQをアコーディオン形式にすることで、情報をスッキリさせ、ユーザーが必要な情報だけを選んで確認できるため、離脱を防げるのではないか。
返金保証・サポート
  • 文言:「全額返金保証」 vs 「満足いただけなければ返金します」
  • アイコン:保証マークの有無やデザイン
  • 提示場所:CTAボタンの近くに配置 vs FAQ内に記載
購入のハードルとなる金銭的なリスクを払拭するため、CTAボタンのすぐ近くに強力な保証をアイコン付きで提示することが、最後のひと押しになるのではないか。

ABテストを行う際は、一度に複数の要素を変更するのではなく、必ず一つの要素に絞ってテストを実施してください。複数の要素を同時に変更すると、どの変更が成果に繋がったのかが分からなくなってしまうためです。仮説を立て、検証し、結果を分析するというサイクルを地道に繰り返すことが、成約率アップへの一番の近道です。

ヒートマップツールを活用した分析方法

ABテストの結果をさらに深く分析し、次の改善施策に繋げるために役立つのが「ヒートマップツール」です。ヒートマップツールは、ユーザーがページ上のどこを熟読し、どこをクリックし、どこまでスクロールしたのかをサーモグラフィーのように色で可視化してくれます。日本国内では「Ptengine」や「ミエルカヒートマップ」などが有名です。

クロージング部分の分析では、主に以下の3つのヒートマップが役立ちます。

アテンションヒートマップ:熟読エリアの特定

ユーザーがページのどこをよく見ているか(滞在時間が長いか)を可視化します。クロージング部分が赤色(よく見られている)になっていれば、メッセージがしっかり届いている証拠です。逆に青色(あまり見られていない)であれば、キャッチコピーやデザインがユーザーの注意を引けていない可能性が考えられます。ベネフィットの再確認やお客様の声など、読んでほしい部分が熟読されているかを確認しましょう。

クリックヒートマップ:クリックエリアの特定

ユーザーがページのどこをクリックしたかを可視化します。CTAボタンがしっかりクリックされているかはもちろん、ボタンではない画像やテキストがクリックされていないかも確認できます。もし意図しない場所がクリックされていれば、それはユーザーが「そこから先に進める」と誤解している証拠です。リンク先に迷っているユーザーのインサイトを発見し、UI/UXの改善に繋げることができます。

スクロールヒートマップ:到達率の分析

ユーザーがページのどこまでスクロールしたかを可視化します。そもそも、クロージング部分まで到達しているユーザーがどれくらいいるのかを把握することは非常に重要です。もし、大半のユーザーがクロージングエリアに到達する前に離脱しているのであれば、問題はクロージング部分ではなく、それより前のボディコピーやオファーの内容にあるのかもしれません。スクロールデータをもとに、ページの構成全体を見直すきっかけにもなります。

これらのヒートマップ分析から得られたインサイト(発見)をもとに、「なぜこのパターンのCVRが高かったのか/低かったのか」という理由を深く考察し、次のABテストの新たな仮説を立てることで、改善の精度をさらに高めていくことができるのです。

まとめ

ランディングページの成約率を最大化するには、ユーザーの最後の迷いを断ち切る「クロージング」が不可欠です。本記事で解説した「お客様の声」や「限定性」といった9つの構成要素や心理テクニックを組み合わせ、ユーザーの不安を解消し行動を後押ししましょう。クロージングは一度作って終わりではありません。ABテストで改善を重ねることが、機会損失を防ぎ、成果を最大化させる最も確実な方法です。

この記事を書いた人

Atsushi

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